マスク氏「ビットコインはエネルギー」発言で市場動揺|真意はどこに?
テスラCEOのイーロン・マスク氏の以下のX投稿が投資家の間で話題となっています。
直訳すると、「その通り。だからこそビットコインはエネルギーに基づいている。偽の法定通貨は発行できても、エネルギーを偽ることはできない」という内容です。
この発言は、AI軍拡競争や通貨価値の下落リスクを議論する文脈で行われたもので、マスク氏がビットコインの「本質的価値=エネルギー」に再び注目していることを示唆しています。
エネルギー資産として再評価されるビットコイン
マスク氏とビットコインの関係は波乱に満ちています。
2021年、テスラは約15億ドル相当のビットコインを購入し、自社製品の支払い手段として導入する計画を発表しました。
しかしその後、環境負荷への懸念を理由にビットコイン決済を一時停止し、保有BTCの一部を売却。そのため、今回の「ビットコイン=エネルギー基盤」発言は、過去の姿勢からの大きな転換と受け止められています。
市場では、AIによる電力需要の増大が世界的な問題となる中、「ビットコインは実体的なエネルギー価値を持つデジタル資産」という見方が再び強まっており、マスク氏の発言がその潮流を後押しする形となっています。
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投資家心理を刺激する「デジタル・エネルギー資産」への期待
今回のマスク氏の投稿は、単なる一言以上の意味を持ちます。
AIやエネルギー問題が世界経済の中心テーマとなるなかで、「ビットコイン=エネルギーを可視化した価値保存手段」という視点は、従来の金や原油に代わるデジタル資産としての位置づけを強化する可能性があります。
特にインフレ懸念が再燃する現在、マスク氏の言葉は「分散化された通貨への信頼」を再び市場に思い起こさせました。
テスラが再びビットコイン保有を拡大するかは未知数ですが、マスク氏の影響力を考えれば、彼の一言が投資家心理を動かすトリガーとなる可能性は否めません。
マスク氏発言が動かす市場、過去にはドージコイン急騰の例も
イーロン・マスク氏の発言が市場を動かした例は、過去にも何度もあります。特に有名なのが、ドージコイン(DOGE)に関する一連の投稿です。
2021年当時、マスク氏が「Dogecoin is the people’s crypto(ドージコインは人々の仮想通貨だ)」と発言した直後、ドージコイン価格はわずか数日で数倍に高騰しました。
また、テスラがドージコインでの決済受付を試験的に導入した際にも、ドージコインは一時的に30%以上急上昇するなど、彼の一言が市場を大きく揺さぶってきました。
こうした背景を踏まえると、今回の「ビットコイン=エネルギー」発言も、単なる哲学的コメントにとどまらず、仮想通貨市場全体に波及効果をもたらす可能性があります。
特にマスク氏が再び仮想通貨への関心を示した場合、市場の楽観ムードが高まり、ビットコインだけでなく、ドージコインなど関連銘柄にも再び資金が流入する展開にも期待できるでしょう。

