ビットコイン短期勢が投げ売り寸前?反転ポイントは『含み損35%』か
2025年11月30日午後11時のビットコイン価格は、1BTC=91,500ドル前後を推移しています。
9万ドル台に回復したものの、現在のビットコイン相場は依然として不安定な状況が続いており、短期トレーダーのポジション動向に市場の視線が集まっています。
最新のオンチェーンデータによると、1〜3カ月以内に購入されたビットコインの平均損益率は現在マイナス20%となっており、多くの短期投資家が含み損を抱えている状況です。
これは、短期保有者の平均取得価格を市場価格が下回っていることを示し、センチメント悪化や売り圧力増加につながりやすい弱気シグナルといえます。
ただし、過去の主要な反発局面と比較すると、マイナス20%はまだ底打ちラインには届いていません。
オンチェーン指標が示す典型的な反転ポイントはマイナス35〜37%で、歴史的にはこの水準まで含み損が拡大した後に強い上昇が発生してきました。
このため、現在のビットコイン市場は、過去の暴落局面と比べると調整幅はまだ浅く、投資家が次の展開を慎重に見極める段階にあると言えます。
ビットコインの歴史的パターンが示す反転の条件とは?
ビットコインが強い反発を見せるタイミングにはいくつか共通点があります。
そのひとつが、短期投資家の損益率が深く落ち込み、市場参加者の多くが「投げ売り」に近い状態へ追い込まれるタイミングです。
実際、過去の主要な転換点では、短期保有者の損益率がいずれもマイナス35%以上に悪化していました。
例えば、2019年の下落相場、2020年のコロナショック、2022年のFTX崩壊といった歴史的局面がありました。
さらに、短期保有者の「実現価格」を市場価格が上回るかどうかも、反転を見極めるうえで重要な指標になります。
※実現価格とは、BTC保有者がいくらでビットコインを購入したかという平均取得価格のこと。
この水準を明確に突破すると、短期投資家が再び含み益となり、買い意欲が戻ることで市場全体のセンチメントが改善しやすくなります。
現時点では、まだその領域には到達していないものの、各種オンチェーン指標は徐々に弱気圏に近づいており、今後数週間から数カ月の値動き次第では、市場の雰囲気が一気に変化する可能性もあります。
今後のビットコイン相場を動かす要因と見通し
今後のビットコイン市場を左右する要因として、オンチェーン指標だけでなく、マクロ環境や機関投資家の動向も見逃せません。
米国の金融政策が緩和方向に動けば、ビットコイン現物ETFを通じた新規資金がビットコイン市場へ流入し、短期勢の弱気ポジションを一気に巻き込む形で反発が強まる可能性があります。
過去にも、オンチェーン指標が過度に悲観的になった局面で政策転換や外部要因が重なり、急反発につながった例は多く存在します。
そのため、短期トレーダーの含み損が拡大している現状は不安材料である一方、次の上昇局面に向けた“エネルギーの蓄積”とも捉えることができます。
総じて、現在のビットコイン市場は、まだ完全な底打ちシグナルには至っていませんが、投資家心理の変化を示す重要な節目に差しかかっているように見えます。
これから短期勢の損益率がどの程度悪化するのか、そして市場価格が実現価格ラインを回復できるかどうかが、次のトレンドを読み解くカギとなりそうです。

