ビットコイン創設者「サトシ・ナカモト」正体判明?NYTが有力候補を特定
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の調査報道をきっかけに、ビットコイン創設者「サトシ・ナカモト」の正体が英暗号学者アダム・バック氏ではないかという見方が急速に広がっています。
Bitcoin’s founder, Satoshi Nakamoto, has remained hidden for 17 years. A trail of clues — and a year of digging by our reporter, John Carreyrou — led us to a 55-year-old computer scientist in El Salvador named Adam Back. https://t.co/s6Jy00IDdk
— The New York Times (@nytimes) April 8, 2026
同紙記者ジョン・キャリールー氏は、長期間にわたり過去のメーリングリスト投稿、公開文書、文章の癖、活動時期の重なりを追跡し、バック氏を最有力候補として提示しました。
ただし、複数の英語メディアはそろって、今回の内容は決定的証拠による身元特定ではなく、状況証拠を積み上げた調査だと伝えています。
NYTが指摘した「最有力候補」アダム・バック氏の根拠
今回の報道で注目されたのは、複数の観点からバック氏とサトシ・ナカモトの共通点が浮かび上がった点です。報道で指摘された根拠は次のとおり。
- Hashcashの開発者であり、PoWの先行技術を確立している
- サトシ・ナカモトのホワイトペーパーで技術が引用されている
- 文章の文体や専門用語の使い方に共通点が見られる
- 活動時期が一致しており、登場と沈黙のタイミングが重なる
まず技術的背景として、バック氏は1997年にHashcashを開発しており、これはビットコインの根幹技術であるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の先行事例として知られています。
実際、ホワイトペーパーでもこの技術が引用されており、これを一つの根拠にバック氏とサトシ・ナカモトが同一人物である可能性が指摘されています。
これらの要素を総合し、ニューヨーク・タイムズはバック氏を最も有力な候補として報道した流れとなりました。
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バック氏は否定、専門家も慎重姿勢で「確定」には至らず
一方で、今回の報道に対しては慎重な見方が広がっています。
最も重要な点として、バック氏本人は自身がサトシ・ナカモトであることを明確に否定しており、関与そのものを否認していることです。
また、複数の研究者や専門家も、今回の根拠はあくまで状況証拠に過ぎないと指摘。文章分析については手法によって結果が変わる可能性があり、決定打にはなり得ないとの見解もああります。
さらに、サトシ・ナカモトの正体をめぐっては、これまでにも以下のような候補者が繰り返し指摘されてきました。
- ハル・フィニー:初期開発に関与し、最初にビットコインを受け取った人物
- ニック・サボ:Bit Goldを提唱し、ビットコインとの類似性が指摘される暗号学者
- レン・サッサマン:サイファーパンクの一員で、高度な暗号技術者
- ドリアン・ナカモト:実名報道で話題となるも本人が否定
- クレイグ・ライト:自称サトシだが、証拠の信頼性に疑問が残る
このように、これまでにも複数の有力説が浮上しては否定される流れが繰り返されてきました。そのため、今回のバック氏に関する報道も同様に、有力な仮説の一つとしての域を超えません。
加えて、サトシは単独の人物ではなく、複数人によるチームだったとする見方も根強く存在します。ビットコインの設計思想や技術的完成度の高さを踏まえると、一人で開発したとは考えにくいという指摘です。
これらを総合すると、今回の報道はあくまで新たな有力候補を提示したものに過ぎず、現時点ではサトシ・ナカモトの正体は依然として謎のままです。
