リップル(XRP)、直近7日間で11%上昇|ETF資金流入が追い風に
2025年10月26日午前3時のリップル(XRP)は、1XRP=2.60ドル前後を推移しています。
仮想通貨市場全体が安定した推移を見せる中、リップルは前日比で約5%、直近7日間では11%の上昇率を記録し、ビットコインなどの主要銘柄を大きく上回るパフォーマンスを示しています。
このリップル上昇の背景には、アメリカでローンチされた現物型XRP ETF「XRPR」の好調な運用状況があります。
REX SharesとOsprey Fundsによって共同運営されるこのETFは、わずか1ヶ月で運用資産残高(AUM)が1億ドルを突破しました。
この節目達成は、機関投資家による資金流入の強まりを示すものであり、リップル市場にとって大きな転換点となり、現在の価格上昇を後押ししています。
機関投資家の関心が拡大するリップル市場
XRPR ETFは、投資家にリップルへの直接的なスポットエクスポージャーを提供する初の米国上場ETF(上場投資信託)です。
9月にローンチされたばかりのこのファンドは、わずか数週間で急速にAUMを拡大。REX Sharesの公式Xアカウントによると、10月23日時点でAUMが1億ドルを突破したことが報告されました。
この成果は単なる投機的な上昇ではなく、「デジタル資産が世界金融システムに統合されつつある」という構造的変化を示すものです。
リップルはもともと国際送金や銀行間決済を効率化する目的で開発されたプロジェクトであり、金融機関や決済ネットワークにおける実用性の高さが評価されてきました。
そのリップルが、機関投資家の正式なポートフォリオに組み込まれ始めたという事実は、仮想通貨が単なる投資対象から金融インフラの一部へと進化していることを象徴しています。
ETF承認遅延の中でも注目を集めるリップル
米証券取引委員会(SEC)は依然としていくつかのリップル現物ETF申請の承認を保留しているものの、その一方で、XRPRの登場は「機関投資家が求める透明性と規制下のアクセス」を提供する点で高く評価されています。
特に米国政府の一部機関が閉鎖された影響でETF承認審査が停滞する中、REX-Ospreyモデルのような独自ルートでの運用開始は、市場にとって重要な突破口となりました。
こうした背景から、リップルへの投資心理は強気に傾いていると分析できます。
世界最大のデリバティブ取引所「CMEグループ」は最近、XRP先物・オプション取引を導入しており、機関投資家のヘッジ戦略やリスク分散手段としての活用が進む見込みです。
これらの動きは、ETFによる資金流入とあわせてXRPの流動性を押し上げ、価格の安定と上昇を支える要因になっています。
リップル価格の今後の展望

リップルは現在、2.64〜2.70ドル付近の強い抵抗帯に差しかかっており、上昇基調に転じるかどうかの重要な局面を迎えています。
この価格帯は過去にも上値を抑えられてきた水準であり、さらに200日移動平均線(黄色)も上値抵抗として機能しているため、短期的には2.50〜2.70ドルのレンジ相場が続く可能性が高いでしょう。
テクニカル的には、9月10日のトランプショックによって一時1.24ドルまで下落したことで、相場全体は依然として中期的な下落トレンドの範囲内にあります。
そのため、2.70ドルを明確に突破し、終値ベースで定着できるかどうかが上昇転換の第一条件となります。
- 抵抗帯(2.64〜2.70ドル)
:現在の最大の上値抵抗ゾーンで、突破がトレンド転換の鍵 - 200日移動平均線
:強力なテクニカル抵抗として機能中。終値で上抜けできるかが焦点 - 短期レンジ
:2.50〜2.70ドルの範囲での横ばい推移が続く可能性 - 下落トレンドの継続
:トランプショックで1.24ドルまで急落しており、依然中期的には下落基調
一方で、ファンダメンタル面では明るい兆しも見えています。
REX-OspreyによるXRP現物ETFへの資金流入が続いており、運用資産残高はすでに1億ドルを突破。さらに、CMEでのオプション取引拡大によって機関投資家の関心も高まっています。
こうした動きが継続すれば、テクニカル的な抵抗帯突破のきっかけとなり、3ドル台への再挑戦も現実味を帯びてくるかもしれません。
また、今後SECが他のXRP関連ETFを承認すれば、投資家心理は一段と強気に傾き、買い圧力がさらに高まる展開も考えられます。
長期的には、リップルが国際送金や決済インフラとしてどこまで採用を拡大できるかがカギとなります。
もし銀行・金融機関での実用化が進み、ETF市場でも存在感を維持できれば、リップルは再び時価総額3位への返り咲きを狙えるポジションに立つ可能性があるでしょう。

