JPモルガン、ビットコイン価格17万ドル予測|ETF保有額も急拡大
米金融大手JPモルガンのアナリストチームは、ビットコイン(BTC)が今後6〜12か月以内に最大17万ドルに到達する可能性があるとの強気な見通しを発表しました。
同社の最新レポートでは、現在のビットコイン価格は「金(ゴールド)と比較して依然として割安な水準」にあると指摘。今後、機関投資家からの資金流入が本格化すれば、大幅な上昇余地があると分析しています。
さらに、JPモルガンはブラックロック社のビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の保有を大幅に拡大。評価額は6月末時点からおよそ64%増となる約3億4,300万ドル(約525億円)に達しています。
かつて「ビットコインは詐欺だ」と公言していたジェイミー・ダイモンCEO率いるJPモルガンが、ETFを通じて戦略的にビットコインへのエクスポージャーを拡大している事実は、同社の姿勢転換を象徴するとともに、ウォール街における市場構造の変化を示す重要なサインといえます。

機関投資家が支える新たな相場構造
JPモルガンの報告書では、10月10日に発生した「トランプショック」による大規模なレバレッジポジションの清算により、市場の過熱感が大幅に後退したといいます。
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これによりデリバティブ市場のリスク構造が整理され、ビットコインのボラティリティ(価格変動率)は年初来で最も低い水準にまで落ち着きました。
同社は、金価格との比較においてもビットコインの「割安感」が一段と鮮明になっていると分析しています。報告書では「金市場に匹敵する時価総額を達成した場合、ビットコイン価格は17万ドル前後まで上昇する可能性がある」との見通しを示しました。
この強気な見解を支える要因の一つが、上場投資信託(ETF)市場の急拡大です。
ブラックロック社のビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」は、2025年10月時点で運用資産(AUM)が1,000億ドルを突破し、史上最速ペースでの成長を遂げています。
さらに、JPモルガンをはじめゴールドマン・サックスなど複数の大手金融機関が同ETFを保有しており、ビットコインが伝統金融の中でも確固たる投資対象として位置づけられつつあることを示しています。
ビットコインの次期上昇サイクルの兆候?
JPモルガンの最近の動きは、「ビットコインが新たな上昇サイクルへ入る兆し」として市場で注目を集めています。
ETF市場を通じて流入する機関資金は、従来の個人投資主導の相場とは異なり、より安定した需給バランスを形成しつつあり、長期的なBTC価格上昇の基盤が確立されつつあると見られています。
また、金利引き下げ局面への転換やETFを通じた制度的需要の拡大が、今後のビットコイン市場に新たな上昇サイクルをもたらす可能性が指摘されています。
一方でJPモルガンは、AI関連株のボラティリティ上昇や米国経済指標の変動が一時的にリスク資産全体の重しとなる可能性を指摘し、上昇の過程は段階的に進むとの見方も示しています。
それでも、ETF保有の拡大と「ビットコイン17万ドル予測」という二つの動きは、ウォール街の機関投資家がビットコインを投資対象として再評価していることを示す明確なサインです。
JPモルガンの強気な姿勢は、ビットコインが次の成長局面へ向かう大きな転換点となる可能性があるでしょう。
