金急落でビットコイン急騰?意外な落とし穴と今後のシナリオ
2025年10月23日4時のビットコイン(BTC)は、1BTC=108,000ドル前後で取引されています。
一方、史上最高値をつけた直後に急落した金(ゴールド)は、現在1オンス=約4,000ドル前後で取引され、20日の高値4,381ドルからおよそ8.6%の下落となりました。
この下落幅は過去12年間で最大規模となり、市場に大きな衝撃を与えています。
こうした状況を受け、「金が下がればビットコインが上がる」といった相関関係を指摘する声も見られますが、実際のチャート分析では両者に明確な相関は確認されず、それぞれ異なる要因によって価格が動いていると考えられます。
金が急落した要因とは?

2025年10月21日から22日にかけての金急落の背景には、以下の要因が重なっています。
- 急騰による過熱感から短期的な利益確定売りが発生
- 米中貿易交渉の進展でリスク回避姿勢が後退し、安全資産需要が減少
- 米ドルの反発と金利上昇への期待で金の相対的な魅力が低下
これらの要因が重なったことで、金の相対的な魅力が低下し、急速な価格下落につながったとみられます。
テクニカル面でも、RSI(相対力指数)が88付近まで上昇するなど明確な「買われすぎ」サインが点灯しており、移動平均線からの大きな乖離や出来高の急増も短期的な反転を示唆していました。
その結果、金価格はわずか1〜2日で約8%下落し、4,000ドル前後まで急落。現在も調整局面が続いており、市場ではさらなる下落リスクへの警戒感が高まっています。
ビットコインの急騰→急落の要因とは?

ビットコインは、金が急落したタイミングと同じ10月21日に急騰しました。しかし、その直後に上昇分をすべて打ち消す急落が発生しています。
この急騰から急落にかけての背景には、以下の複数の要因が重なっています。
- 金の急落を受け、リスク資産への資金移動が発生し一時的にビットコインへ資金流入
- 11万ドル付近の心理的節目で利益確定売りやレバレッジ清算が連鎖
- ETF資金動向や取引量変動など、市場内部要因が下落を加速
一時的には金の下落が投資家心理を刺激し、ビットコイン買いに流れが向いた可能性もありますが、現在の相場では金との単純な相関関係よりも、テクニカルやファンダメンタル要因の影響が大きいと考えられます。
したがって、「金が下落すればビットコインが上昇する」といった単純な構図は成り立たず、両者を比較する際は慎重な分析が必要です。
なお、現在のビットコインには「上昇ウェッジ」と呼ばれる反転サインが出現しており、さらに4年周期による調整局面入りの可能性が指摘されています。
» ビットコイン3ヶ月調整の兆候浮上|半減期サイクルが警告する2026年シナリオ
長期的に見ると、ビットコインは現在「上昇局面」から「ピークを模索する段階」へ移行しており、その後は「調整・下落を伴うフェーズ」へ入る可能性も考えられるでしょう。
上昇トレンドが続く一方で、過熱感の高まりや上昇ウェッジ崩壊、マクロ環境の変化などには注意が必要であり、中長期的な下落リスクを意識した慎重な姿勢が求められる難しい局面です。

