ビットコイン急落、9万ドル割れ|日本長期金利1.84%急騰が引き金に
2025年12月1日、ビットコイン(BTC)は前日比で6%急落し、9万ドルを大きく割り込む展開となりました。本稿執筆時点で、1BTC=86,000ドル前後で推移しています。
急落の背景には、日本の長期金利が急速に上昇したことを受け、仮想通貨市場でビットコインを中心に売り圧力が強まったことがあるとみられています。
海外投資家の間では「日本の金利上昇がリスク資産全般の売却を誘発している」との見方が広がっており、SNSや金融メディアでもこの動きが大きな話題となっています。
特に10年物日本国債利回り(JGB10Y)は1.84%に急騰し、2008年以来の高水準を記録しました。
わずか1日で11%超という異例の上昇幅となり、市場関係者からは「チャートが崩れている」と警戒感を示す声も上がっています。
長期金利の急上昇と円キャリートレードの崩れ
今回の金利上昇の背景には、世界中の投資家が長年利用してきた「円キャリートレード」の構造変化があります。
日本は長らくゼロ金利政策を維持し、低金利で円を借りて海外の株式や債券、暗号資産などへ投資する手法が広く定着していました。
円は世界の資金供給源として機能し、莫大な流動性が世界のリスク資産を押し上げる要因となってきました。
しかし、ここに来て日本の長期金利が急速に上昇したことで、状況が一変しています。
金利が上がれば、円を借りるコストが増えるため、投資家はポジションを閉じるために「円買い・リスク資産売り」を進めざるを得ません。
この巻き戻しが、ビットコインや株式、新興国資産など幅広い市場で売り圧力として表れていると指摘されています。
米金融メディア「The Kobeissi Letter」は、日本国債利回りの急騰を「世界の資金循環に重大な変化をもたらすシグナル」と警鐘を鳴らしています。
ビットコイン急落は日本の金融政策転換の初期シグナル
今回の金利上昇は、一時的な市場ショックではなく、日本の金融政策が大きな転換点に差し掛かっている可能性を示しています。
世界の主要中央銀行が引き締めへ舵を切る中、日本だけがゼロ金利とマイナス金利を維持し、長期間にわたり世界で最も低い金利水準を提供してきました。
その結果、円キャリートレードが拡大し、海外への投資資金が巨額に積み上がっていましたが、金利が正常化へ向かい始めたことで、これらの資金が一斉に巻き戻されるリスクが意識されつつあります。
海外投資家の間では「30年続いた日本の金融構造が終わりに近づいている」との見方も強まり、今後は円金利の動向が世界市場を左右する重要な指標になるとみられています。
日本国債利回りの急騰は、国内だけの問題ではなく、世界的な資金循環の変化を示す動きとして捉えるべきだとの声もあります。
ビットコインの急落は、その最初のシグナルにすぎない可能性があり、日本の金利動向が今後のマーケット全体に与える影響は一段と注目されるでしょう。

