ビットコイン急落、10万ドル割れ|機関投資家の大規模売却が影響か
2025年11月7日午後9時、ビットコイン(BTC)が再び10万ドルを割り込む展開となりました。
オンチェーンデータや取引履歴によると、この下落直前にブラックロック(BlackRock)の現物ETF「IBIT」から、3,609BTC(約3億6,400万ドル相当)の資金流出が確認されました。
この動きにより、ビットコインETF全体のネットフロー(資金流入出)は –2,264BTC(約2億2,862万ドル) とマイナスに転じており、主要ETFの中でもブラックロックの売却規模が際立っています。
複数のオンチェーンウォレットでは、1件あたり約300BTC(約3,000万ドル)規模の送金トランザクションが短時間に連続して発生しており、これが相場急落の一因になった可能性が指摘されています。
IBITを含む複数のETFからの売却圧力が重なったことで、わずか数時間のうちに市場全体で数億ドル規模のビットコインが放出されたとみられます。
こうしたETF資金の流出は、投資家の利益確定や機関のポジション調整を反映しているとみられますが、タイミング的にビットコインが10万ドルを割り込んだ局面と重なったことから、需給バランスの悪化が短期的な下落を加速させた可能性も否定できません。

FED発表前のリスク回避とETF資金流出
今回の売却ラッシュの背景には、米連邦準備制度(FED)による緊急発表を前にしたポジション整理があるとみられます。
米金利動向が不透明ななか、機関投資家は短期的なリスクを回避するため保有ポジションを縮小。特にETF運営者や認定参加者(AP)は、ETFの償還に伴う現物BTCの売却を余儀なくされる場面が増えています。
加えて、ブラックロックのIBIT ETFでの純流出が初めて記録されたことも注目されています。これまで流入超過を維持していたETF市場が流出に転じたことは、需給バランスの変化を示す重要なサインです。
アナリストの間では、「ETFフローの転換が価格下落の引き金になった」との見方が強まっています。
また、オンチェーン分析によると、主要ウォレットからの売却量が急増しており、レバレッジ解消と利益確定売りが同時進行しているとみられます。
市場全体の「恐怖・強欲指数」も極端な恐怖ゾーンに突入し、投資家心理は一時的に弱気ムードへ傾いています。
ビットコイン今後の見通しと投資戦略:調整局面を経て反発の可能性も
心理的節目となる10万ドル前後で推移する現在のビットコインは、テクニカル的にも重要な分岐点に立っています。
ただし、多くの専門家は「今回の下落は過熱感を冷ます健全な調整」と見ており、ETF流出や機関の利益確定が一巡すれば、再び需給が引き締まり、反発局面に入る可能性も十分に考えられます。
オンチェーンデータでは取引所へのBTC流入量が減少傾向にあり、クジラと呼ばれる大口投資家が静かに買い戻しを始めている兆候も確認されています。
複数のアナリストは「95,000〜98,000ドルが押し目水準」と指摘しており、調整完了後にはETFへの再流入をきっかけに再び上昇トレンドへ転じる可能性があると見ています。
短期的にはボラティリティの拡大が続く見込みですが、中長期的な視点では、今回の調整を次の上昇波への布石と捉える投資家も少なくありません。
市場心理が落ち着き、機関投資家の資金が再び流入すれば、2026年に向けて強気相場が再開するシナリオも視野に入ります。
一方で、テクニカル的には依然として調整局面を示唆しており、強制ロスカットを巻き込んださらなる急落にも注意が必要です。
調整が長期化した場合に備え、価格の回復をただ待つだけでなく、レバレッジを活用した空売りなどの短期トレード戦略を柔軟に取り入れることで、相場の下落局面からも利益を狙う選択肢を持つことが重要です。
リスクを適切に管理しながら、市場の変化に即応できるポジション戦略が求められますね。

