ビットコイン投資はもう遅い?今後の展望と専門家の見解まとめ
「ビットコインは詐欺だ…」
「どうせ近いうちに暴落する…」
「もう遅い、今さら買っても意味がない…」
このように思って投資を見送った人たちは、今もなお「暴落神話」を信じ、仮想通貨に懐疑的な姿勢を崩していないかもしれません。
でも現実には、その予想に反して2025年を迎えた今もビットコインは力強く上昇を続けています。
果たして、ビットコインは世界を巻き込んだ巨大な詐欺なのか、それとも金融の常識を覆す革新なのか。
どちらの立場であっても、世界中の投資家がビットコインの動向に注目している事実だけは否定できません。
本記事では、なぜビットコイン価格が上がり続けているのか。各国の動きや専門家の見解を交えながらビットコインの将来性を解説します。
ビットコイン価格が上昇している理由
2025年現在、ビットコイン価格は上昇し続けています。その背景には、一時的な投機熱だけでなく、金融・経済構造の変化を反映した複合的な要因が存在しています。
特に注目すべきは、次の3つのトレンドです。
- ビットコインETFの登場による機関資金の流入
- 半減期による新規供給量の減少と希少性の高まり
- 各国で進行するインフレと通貨不安の拡大
これらは単独で作用しているわけではなく、相互に影響し合いながら市場全体の需給バランスを変化させているのが特徴です。
これら3つの要因を専門的な視点で読み解くことで、ビットコイン価格が上昇している理由を知ることができます。
1. ビットコインETFの登場による機関資金の流入
ETF(上場投資信託)とは、株式のように証券取引所で売買できる投資ファンドのことです。
例えば「NISAを始めるなら米国株のS&P500を買っておけ」といった話を聞いたことありますよね。実はS&P500もETFの代表例で、アメリカの主要500社の株価指数に連動する投資商品として広く利用されています。
ビットコインETFもこれと同じ仕組みで、ビットコイン価格に連動する投資商品です。
ビットコインETFの登場により、現物のビットコインを直接買うのではなく、証券口座を通じてファンドを購入する形でのビットコイン投資が可能になりました。
- 現物ビットコイン
→「自分で保管・管理する自由とリスク」があるデジタル資産の所有 - ビットコインETF
→「証券口座で手軽に投資できる金融商品」であり、ビットコインの値動きに連動する投資信託
従来の証券口座を通じてビットコイン連動ファンドを手軽に購入・保有できるようになり、これまで参入しにくかった投資家層にも門戸が開かれたのです。
特に、大手機関投資家や年金基金などは、現物の保有リスクや管理コストを避けられるETFを採用しやすいため、個人投資家に加えて機関マネーが市場に流入しています。
このように、ビットコインETFの登場によって生まれた投資資金の新たな流入口が、ビットコイン需要を押し上げ、価格上昇の大きな原動力となっているのです。
2. 半減期による新規供給量の減少と希少性の高まり
半減期とは、ビットコインの新規発行量(マイニング報酬)が約4年ごとに半分になる仕組みです。
あらかじめプログラムによって定められたルールに基づき、ビットコインの発行量を段階的に減らすことで供給の希少性を高め、長期的な価値を維持するよう設計されています。
ビットコインには最大発行枚数2,100万枚の上限が定められています。これは地球上の金(ゴールド)と同じく、「限りある資源」であることが価値を支える根拠になっています。
つまり、ビットコインはドルや円のように無制限に発行できる通貨ではなく、数量が限られているが故に、その希少性が価値を支える仕組みを維持しています。
経済の基本原理として、需要が一定以上ある状態で供給が減少すれば、価格は上昇しやすいという法則が働きます。この構造こそが、ビットコイン価格を押し上げてきた大きな要因の一つです。
2025年10月時点では、約1,990万BTC(全体の約94.7%)がすでに発行済みで、市場で取引されています。
残りわずか5%のビットコインをめぐり需要が高まり、ビットコイン価格は今後さらに上昇する可能性が指摘されています。
3. 各国で進行するインフレと通貨不安の拡大
新型コロナウイルスによる経済停滞を経て、各国の大規模な金融緩和や財政出動が続いた結果、世界的に急激なインフレが進行しています。
日本でも物価上昇を実感する場面が増えていますが、米国や欧州では日本をはるかに上回るスピードで通貨価値が下がっており、日常生活に直接的な影響を及ぼすレベルに達しています。
このような状況下で、インフレによって現金(ドル・ユーロ・円など)の価値が下がることを懸念した投資家や富裕層が、資産を別の形で保全しようと動いているのです。その逃避先のひとつとして注目を集めているのがビットコインです。
つまり、インフレが深刻化するほど、通貨価値の下落を回避するために基軸通貨でビットコインを購入する流れが加速。結果として、通貨への不安が一層高まる一方で、ビットコインの需要と価格を押し上げる現象が起きています。
価格上昇するもビットコインが普及しない理由
ビットコイン価格が上昇を続ける一方で、日常生活でビットコインを見かけることはありません。デジタル通貨と言いつつ、通貨として普及していないのが現実です。
価格上昇に伴う普及がみられない現在の状況には、次のような理由があります。
- 使うより保有する方が得
- 価格変動が激しすぎる
- 技術的な課題
上記の視点から、ビットコインが普及しない理由について見て行きましょう。
1. 使うより保有する方が得
ビットコインは当初、法定通貨のような「決済手段」としての普及が期待されていました。しかし現在では「価値を保存する資産」としての側面が強まっています。
実際、ビットコインは金(ゴールド)に代わる「デジタルゴールド」としての地位を確立しつつあります。
このため、多くの投資家は「ビットコインの価格は長期的に上昇を続ける」と考え、日常の支払いに使うよりも、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙った長期保有を選択しています。
こうした心理的傾向が、「支払うよりも持ち続ける方が得」という価値観を市場全体に浸透させているのです。
この現象を象徴する有名なエピソードが、「ビットコインピザ」です。
2010年5月22日、ある学生が1万BTCをピザ2枚と交換しました。当時の1BTCはわずか0.0025ドル(約0.23円)であり、1万BTCの価値はおよそ2,200円ほどしかありませんでした。
しかし、もしその1万BTCを2025年10月時点の価格(1BTC=約1,754万円)で換算すると、なんと約1,754億円分のピザを購入した計算になります。
このエピソードは、ビットコインを早期に手放してしまった「世界で最も高価なピザ」として、今も仮想通貨の歴史に語り継がれています。
このような事例から、投資家の間では「今ビットコインを使うのは、将来の利益を逃す行為になりかねない」という考えが広がり、結果として決済手段としてよりも「保有資産」としての性質が強まっているのが現状です。
今日のビットコインは、「デジタルゴールド」として価値の保存手段という新たな役割を担っています。
私たちが日常生活で金(ゴールド)を直接使う機会はほとんどありませんが、その価値は世界中で普遍的に認められています。
ビットコインもそれと同じです。
つまり、「ビットコインを使う場面が少ない=価値がない」と考えるのは、「金を日常で見かけない=金に価値がない」と考えるのと同じことです。
ビットコインはすでに、日常決済を超えた「価値を保存する新しい形」として進化を遂げたと言えるでしょう。
2. 価格変動が激しすぎる
ビットコインが日常的な決済手段として定着しにくい最大の要因のひとつが、極めて高いボラティリティ(価格変動性)です。
ドルやユーロなどの為替相場、あるいは株式市場と比較してもその変動幅は非常に大きく、1日のうちに5〜10%以上価格変動することも珍しくありません。
例えば、ランチ代1,000円分のビットコインを支払った翌日、その価値が900円に下がる、または1,100円に上がることも。こうした価格の不安定さは、消費者にとっては「損をしたくない」という心理的障壁となり、事業者にとっては「受け取った通貨の価値が変動するリスク」を意味します。
つまり、消費者および事業者の双方にビットコイン決済のメリットがないのが現状です。
この激しいボラティリティは、ビットコイン市場そのものの構造に起因しています。
- 大口投資家の影響が大きい
:数百億円規模の売買を行う投資家の動きが、相場全体を支配している - 中央銀行のような管理機構が存在しない
:法定通貨とは異なり、価格を調整・介入する管理主体がない - 実需よりも投機的取引が多い
:価格差益を売買が活発で、安定的な需給バランスが形成されにくい
ビットコインは、まだ株式や為替市場に比べて市場参加者数・流動性・取引量が限定的であり、大口投資家による組織的かつ大規模な売買が価格に大きな影響を与えやすいという特性を持ちます。
また、中央銀行のように相場を安定させる存在がいないため、需要と供給のバランスがそのまま価格変動として反映されます。
このような構造的な特性により、ビットコインは投機・投資の対象としては魅力的でも、日常の決済通貨としては不安定すぎるという評価が一般的です。
結果として、実需利用よりも価格変動を狙った投資・トレード目的での利用が中心となり、ビットコインが「日常で使うお金」として普及しにくい状況が続いています。
3. 技術的な課題
ビットコインは、取引速度と拡張性の両面で技術的な制約を抱えています。
ビットコインのブロックチェーンでは、すべての取引が「ブロック」としてまとめられ、平均10分に1回のペースでネットワーク全体による承認プロセスが実行されることで取引が成立します。
この仕組みにより、高い安全性と改ざん耐性を確保している一方、取引が確定するまでに時間がかかるという課題があります。
そのため、クレジットカードや電子マネーのように即時に支払いが完了する決済システムとは異なり、ビットコインは日常的な少額決済にはやや不向きな構造になっています。
さらに、これらの処理遅延を解消するための技術(例:ライトニングネットワーク)はすでに開発されているものの、利用には専用ウォレットの設定やチャネル開設など一定の技術知識が必要であり、一般ユーザーにとっては依然としてハードルが高いのが現状です。
つまり、ビットコインは技術的には「高速・低コストの送金」が可能でありながらも、普及には依然としてクリアしなければいけない課題が残っています。
ただし、これらの技術的課題が今後の技術革新によって解消されれば、ビットコインは価値保存のためのデジタルゴールドから、実際に使えるグローバルな決済・インフラ資産へと進化する可能性があります。
そのとき、ビットコインのユースケース拡大が新たな需要を生み出し、価格上昇をさらに後押しする展開が期待できるでしょう。
専門家が予測するビットコインの今後のシナリオ
ビットコイン価格の今後については、単なる「強気/弱気」を超え、マクロ環境・需給構造・規制・テクノロジーが複合的に絡みます。
ここでは、近年言及の目立つ5名の有名投資家・経営者の見解を整理し、発言の背景や着眼点をまとめます。
| 人物 | 1BTCの予想価格 | 要点 |
|---|---|---|
| ロバート・キヨサキ (「金持ち父さん」著者) | 100万ドル (1.5億円) | 「金・銀・BTC」を長期保有推奨の文脈で強気。 |
| エリック・トランプ (米大統領の息子) | 100万ドル (1.5億円) | 1BTC=100万ドル到達は疑いの余地がないと発言。 |
| マイケル・セイラー (Strategy社の会長) | 50万ドル〜100万ドル (7500万円〜1.5億ドル) | 企業財務にBTCを組み込む提唱者。需給逼迫・ネットワーク効果を根拠に超強気。 |
| パベル・ドゥーロフ (Telegram創設者) | 100万ドル (1.5億ドル) | グローバルな採用拡大を前提にした長期強気見通し |
| ピーター・シフ (投資家/金強気派) | 7500ドル(1,125万円)まで下落 | 金有利の見方からBTCに一貫して慎重。上昇局面でも反落を想定。 |
1. ロバート・キヨサキ(金持ち父さん著者)
世界的ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の著者で知られるロバート・キヨサキ氏は、ビットコインについて、長期的には100万ドルに到達する可能性があるとの見解を示しています。
キヨサキ氏のビットコイン支持の根底には、法定通貨の希薄化(インフレ)への警戒があります。
政府の財政赤字や金融緩和が続くとお金の価値は下がりやすい一方、発行上限が決まっているビットコインは長期の「価値の保管場所」になり得る、という考えを一貫しています。
2. エリック・トランプ(現アメリカ大統領の息子)
ドナルド・トランプ大統領の次男で、American Bitcoin(ABTC)の共同創設者でもあるエリック・トランプ氏は、ビットコインに前向きな立場を取っています。
ビットコイン価格が下がったタイミングで買う「押し目買い」をうながす発言や、将来的に100万ドルに到達する可能性にも触れるなど、全体として強気のメッセージが多いのが特徴です。
エリック氏の考え方は、政策や産業の動きが需要を広げるという見通しに基づいています。政府や企業、金融機関が参入し、ルール(規制)がはっきりしてくればビットコインに資金が流れやすくなる、という期待が背景にあります。
その一方で、トランプ一族がクリプト事業に関わっているため、彼の発言は「ポジショントーク」であるとの指摘もあります。
3. マイケル・セイラー(Strategy社)
世界最大のビットコイン保有企業であるStrategy(ストラテジー)社の会長を務めるマイケル・セルラー氏は、ビットコインについて長期的には1BTC=50万〜100万ドルになり得ると考える強気派として知られています。
実際、自社の資産にもビットコインを積極的に取り入れており、「企業の財務でビットコインを活用する例」としてよく取り上げられます。
セルラー氏の論拠は「構造的需給逼迫」があります。
ビットコインは半減期によって供給量が減少する一方、ETF・企業・機関投資家が継続的に買い手として定着することで持続的な需要(買い圧力)が生まれることが予測の土台にあります。
その一方で、セイラー氏自身が多くのビットコインを保有しているため、発言が強気寄りになりやすいことは言うまでもないでしょう。つまり、エリック氏と同様、ポジショントーク的な意味合いが込められています。
4. パベル・ドゥーロフ(Telegram創設者)
メッセージアプリ Telegram(テレグラム) の創設者、パベル・ドゥーロフ氏は、ビットコインが長期的には100万ドルに到達する可能性があると見ています。
あわせて、チャットアプリ内でビットコインの送金や支払いが簡単に使えるようになれば、普及と成長が一段と進むと言う、未来のトレンドを予測しています。
ドゥーロフ氏の予測は、数十億人が使うメッセージアプリで、ビットコイン送金・決済がワンタップで完結するようになれば、日常的に使う人が増えて新しい需要が継続的に生まれるという仮説を前提としています。
特に、スマホ世代が利用する「デジタル通貨」はアプリを通じて急速に普及すると考えており、こうした動きが持続的な需要を生み出し、ビットコイン価格の押し上げにつながると予想しています。
5. ピーター・シフ(投資家/金強気派)
金(ゴールド)支持者であり、仮想通貨懐疑論者として知られるピーター・シフ氏は、近中期にビットコイン価格が75,000ドル程度までの下落余地を警告する発言を繰り返してています。
シフ氏の評価軸は「価値の裏付け」にあります。
ビットコインは配当や利息のようなキャッシュフローを生まないこと、また規制や金利、景気の揺り戻し(マクロショック)でリスク資産が縮小しやすいことから、最終的には資金が金に戻りやすいと見ています。
一方で、「需給の安定化やETFを通じた資金流入を軽く見ているのでは?」という指摘もあります。弱気側の視点として市場の過熱度をチェックする材料になるという点で、参考にしておくべき意見でしょう。
